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Yii は電子メールの作成と送信をサポートしています。 ただし、フレームワークのコアが提供するのは、コンテント作成の機能と基本的なインタフェイスだけです。 実際のメール送信メカニズムはエクステンションによって提供されなければなりません。 と言うのは、メール送信はプロジェクトが異なるごとに異なる実装が必要とされるでしょうし、通常、外部のサービスやライブラリに依存するものだからです。
ごく一般的な場合であれば、yii2-swiftmailer 公式エクステンションを使用することが出来ます。
メールコンポーネントの構成は、あなたが選んだエクステンションに依存します。 一般的には、アプリケーションの構成情報は次のようなものになる筈です。
return [
//....
'components' => [
'mailer' => [
'class' => 'yii\swiftmailer\Mailer',
],
],
];
いったん mailer
コンポーネントを構成すれば、次のコードを使って電子メールのメッセージを送信することが出来るようになります。
Yii::$app->mailer->compose()
->setFrom('[email protected]')
->setTo('[email protected]')
->setSubject('メッセージの題')
->setTextBody('プレーンテキストのコンテント')
->setHtmlBody('<b>HTML のコンテント</b>')
->send();
上の例では、compose()
メソッドでメールメッセージのインスタンスを作成し、それに値を投入して送信しています。
必要であれば、このプロセスにもっと複雑なロジックを置くことも可能です。
$message = Yii::$app->mailer->compose();
if (Yii::$app->user->isGuest) {
$message->setFrom('[email protected]');
} else {
$message->setFrom(Yii::$app->user->identity->email);
}
$message->setTo(Yii::$app->params['adminEmail'])
->setSubject('メッセージの題')
->setTextBody('プレーンテキストのコンテント')
->send();
Note: すべての
mailer
エクステンションは、二つの主要なクラス、すなわち、Mailer
とMessage
のセットとして提供されます。Mailer
は常にMessage
のクラス名と仕様を知っています。Message
オブジェクトのインスタンスを直接に作成しようとしてはいけません。常にcompose()
メソッドを使って作成してください。
いくつかのメッセージを一度に送信することも出来ます。
$messages = [];
foreach ($users as $user) {
$messages[] = Yii::$app->mailer->compose()
// ...
->setTo($user->email);
}
Yii::$app->mailer->sendMultiple($messages);
メールエクステンションの中には、単一のネットワークメッセージを使うなどして、この手法の恩恵を享受することが出来るものもいくつかあるでしょう。
Yii は実際のメールメッセージを特別なビューファイルによって作成することを許容しています。
デフォルトでは、それらのファイルは @app/mail
というパスに配置されなければなりません。
以下はメールビューファイルの内容の例です。
<?php
use yii\helpers\Html;
use yii\helpers\Url;
/* @var $this \yii\web\View ビューコンポーネントのインスタンス */
/* @var $message \yii\mail\BaseMessage 新しく作成されたメールメッセージのインスタンス */
?>
<h2>ワンクリックで私たちのサイトのホームページを訪問することが出来ます</h2>
<?= Html::a('ホームページへ', Url::home('http')) ?>
ビューファイルによってメッセージを作成するためには、単に compose()
メソッドにビューの名前を渡すだけで十分です。
Yii::$app->mailer->compose('home-link') // ここでビューのレンダリング結果がメッセージのボディになります
->setFrom('[email protected]')
->setTo('[email protected]')
->setSubject('メッセージの題')
->send();
ビューファイルの中で利用できる追加のビューパラメータを compose()
メソッドに渡すことができます。
Yii::$app->mailer->compose('greetings', [
'user' => Yii::$app->user->identity,
'advertisement' => $adContent,
]);
HTML と平文テキストのメッセージコンテントに違うビューを指定することが出来ます。
Yii::$app->mailer->compose([
'html' => 'contact-html',
'text' => 'contact-text',
]);
ビュー名をスカラーの文字列として渡した場合は、そのレンダリング結果は HTML ボディとして使われます。 そして、平文テキストのボディは HTML のボディから全ての HTML 要素を削除することによって作成されます。
ビューのレンダリング結果はレイアウトで包むことが出来ます。 レイアウトは、[[yii\mail\BaseMailer::htmlLayout]] と [[yii\mail\BaseMailer::textLayout]] を使ってセットアップすることが可能です。 レイアウトは、通常のウェブアプリケーションのレイアウトと同じように働きます。 レイアウトは、メールの CSS スタイルや、その他の共有されるコンテントをセットアップするために使うことが出来ます。
<?php
use yii\helpers\Html;
/* @var $this \yii\web\View ビューコンポーネントのインスタンス */
/* @var $message \yii\mail\MessageInterface 作成されるメッセージ */
/* @var $content string メインビューのレンダリング結果 */
?>
<?php $this->beginPage() ?>
<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Strict//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-strict.dtd">
<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">
<head>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=<?= Yii::$app->charset ?>" />
<style type="text/css">
.heading {...}
.list {...}
.footer {...}
</style>
<?php $this->head() ?>
</head>
<body>
<?php $this->beginBody() ?>
<?= $content ?>
<div class="footer">よろしくお願いします。<?= Yii::$app->name ?> チーム</div>
<?php $this->endBody() ?>
</body>
</html>
<?php $this->endPage() ?>
attach()
メソッド、attachContent()
メソッドを使って、メッセージにファイルを添付することが出来ます。
$message = Yii::$app->mailer->compose();
// ローカルファイルシステムからファイルを添付する
$message->attach('/path/to/source/file.pdf');
// 添付ファイルをその場で生成する
$message->attachContent('添付される内容', ['fileName' => 'attach.txt', 'contentType' => 'text/plain']);
embed()
メソッドを使って、メッセージのコンテントに画像を埋め込むことが出来ます。
このメソッドは添付ファイルの ID を返しますので、それを img
タグで使わなければなりません。
このメソッドはビューファイルによってメッセージのコンテントを作成するときに簡単に使うことが出来ます。
Yii::$app->mailer->compose('embed-email', ['imageFileName' => '/path/to/image.jpg'])
// ...
->send();
そして、ビューファイルの中では、次のコードを使うことが出来ます。
<img src="<?= $message->embed($imageFileName); ?>">
開発者は、実際にどのようなメールがアプリケーションによって送信されたか、その内容はどのようなものであったか、等をチェックしなければならないことが多くあります。
Yii は、そのようなチェックが出来ることを yii\mail\BaseMailer::useFileTransport
によって保証しています。
このオプションを有効にすると、メールのメッセージデータが、通常のように送信される代りに、ローカルファイルに強制的に保存されます。
ファイルは、yii\mail\BaseMailer::fileTransportPath
、デフォルトでは @runtime/mail
の下に保存されます。
Note: メッセージをファイルに保存するか、実際の受信者に送信するか、どちらかを選ぶことが出来ますが、両方を同時に実行することは出来ません。
メールメッセージのファイルは通常のテキストエディタで開くことが出来ますので、実際のメッセージヘッダやコンテントなどを閲覧することが出来ます。 このメカニズムは、アプリケーションのデバッグやユニットテストを実行する際に、真価を発揮するでしょう。
Note: メールメッセーのファイルの内容は
\yii\mail\MessageInterface::toString()
によって作成されますので、あなたのアプリケーションで使用している実際のメールエクステンションに依存したものになります。
あなた自身のカスタムメールソリューションを作成するためには、二つのクラスを作成する必要があります。
すなわち、一つは Mailer
であり、もう一つは Message
です。
yii\mail\BaseMailer
と yii\mail\BaseMessage
をあなたのソリューションの基底クラスとして使うことが出来ます。
これらのクラスが、このガイドで説明された基本的なロジックを既に持っています。
しかし、それを使用することは強制されていません。
yii\mail\MailerInterface
と yii\mail\MessageInterface
のインタフェイスを実装すれば十分です。
そして、あなたのソリューションをビルドするために、全ての抽象メソッドを実装しなければなりません。