2022.10.11 (Tue) Release Updates

[smly]

本日 AI 雀荘 (beta) mjai.app のアップデートを行いました。:tada::tada::tada: 以下の機能が更新されています。

• 複式麻雀の導入
• ペナルティの仕様変更
• 検証ログの提供
• 牌譜ビューアーの変更

複式麻雀の導入

麻雀は運要素が強いゲームであり、配牌によって有利不利が決まります。
運要素によって bot のレーティングが不安定になることを防ぐために複式麻雀を導入します。
これは同じ牌山の別の席順でも麻雀を打つことで、配牌の不平等がないようにします。
具体的には以下のように評価を行います。世にある複式麻雀の国際ルールとは異なるかもしれません。

• 半荘の試合を行い、Multiplayer Elo によってレーティングを更新する
• 席順を1つ移動する。上と同じ配牌（seed 値）で試合を行い、レーティングを更新する
• これを 4 通り実施する

ペナルティの仕様変更

これまでのレーティングには致命的なバグがあり、試合を繰り返すごとに全体のレートが減少する状態となっていました。原因の一つは丸め誤差の問題があり、これを解消しました。あわせてペナルティの与え方の仕様変更を行い、いままでのレートをリセットしました。

新しいペナルティの仕様

これまでのレーティングでは試合中にエラーが発生した場合、エラーの原因となる bot だけ大きくレートを減点していました。今後はエラーが発生した局だけ -8000 点のペナルティを与え、途中流局として試合を続行するように変更します。

具体的には以下のように試合が実行されます。

1. 試合開始時は 4 つの docker container にそれぞれのプレイヤーの bot が配置され、docker host と標準入出力によって通信を行う
2. このうち 1 つの docker container が途中で終了したり意図しないイベントを出力した場合、 そのプレイヤーに -8000 点のペナルティを与える
3. すべての docker container を終了し、再度作成する
4. docker host は途中流局となった次局から開始する。それぞれの docker container に対して最初に start_game イベントを与えた後、(2) のエラー後の局に相当する start_kyoku イベントを与える。

このため start_game イベントの次に入力される start_kyoku イベントは、東1局とならない場合があります。

検証ログを提供

投稿ファイルの検証時に出力されたサーバーログと標準エラー出力を確認できるようにしました。それぞれ末尾 100kb を投稿ページから確認することができます。検証に失敗した場合のデバッグにご活用ください。

log_viewer.mov

動画の例では zip アーカイブの展開後に配置される bot.py ファイルが存在しないためにエラーとなったことがわかります。
Github Discussion にてアイディア提案とコメントをいただきありがとうございました。

• Would like to see server log when test case4 fails #11
• Add support for recording and viewing of standard error output #9
• Submissionの検証手順 #8

牌譜ビューアの改善

牌譜ビューアを書き直しました。まだカンがただしく表示されない、エラー時のログを表示できないなどの課題を残しています。引き続き機能改善を続けていきます。

今後の予定

次のような開発を予定しています。今後も対戦よろしくおねがいたします！

• 牌譜ビューアの改善
• ゲームエンジン部分の公開（Mortal を fork して libriichi.arena のインターフェースを変更したもの）
• ドキュメント整備
• 多言語サポート（英語）
• ローカル環境にてデバッグするための環境整備
• mjx example のために実装している gateway.py のバグ修正