利用方法

はじめに

OpenTripPlannerのVer2.6以降はTravel Time Analysis機能が削除され、REST APIが無効化されているため、Dockerを利用してVer2.5のOpenTripPlannerを起動する。
デフォルトの設定で起動すると、実行中にメモリが不足し強制終了されてしまうので、Docker Desktopの

Settings  >  Advanced  >  Memory limit

の値を、JVM用に指定するメモリの最大ヒープ・サイズよりも0.3GB程度大きな値に指定しておく。
（例として、*.ymlでメモリの最大ヒープ・サイズを6GB（JAVA_OPTS=-Xmx6G）と指定した場合は、docker desktop側は6.3GB程度に指定すれば良い。）

OSM（OpenStreetMap）データとGTFSデータのダウンロード

グラフ生成に必要となるOSM（OpenStreetMap）データとGTFSデータをダウンロードし、otpフォルダ内に格納する。
GTFSデータのダウンロードにあたって、公共交通オープンデータセンターからAPIキーを取得してください。

• *.osm.pbf

  OSMデータを提供しているgeofabrik.deから関東地方のデータをpbfフォーマットで取得可能。

• *.gtfs.zip

  以下を参考にGTFSデータを一括でダウンロードしてください。

envファイルのコピー （取得したAPIキーを.envに書き込んでください）

cp .env.example .env

GTFSデータの一括ダウンロード

sh gtfs_downloader.sh

グラフのビルド

OSMデータとGTFSデータからグラフの生成を行う。
OSMデータとGTFSデータの規模によるが、ビルドには少々時間が必要。
グラフのビルドが完了すると、otpフォルダ内にグラフデータが保存されます。
グラフのビルドにあたって、otpフォルダ内に以下の名前のOSMデータとGTFSデータが存在するかを確認する。

• *.osm.pbf
• *.gtfs.zip

起動

docker compose -f build_graph.yml up -d

ビルドが完了してWebサーバーが起動完了すれば停止しても良い

docker compose -f build_graph.yml down

グラフをロードして使用する

グラフのロードにあたって、otpフォルダ内に以下のグラフデータが存在するかを確認する。

• graph.obj

起動

docker compose -f load_graph.yml up -d

停止する場合は以下を実行

docker compose -f load_graph.yml down

APIの動作確認

https://docs.opentripplanner.org/en/dev-2.x/sandbox/TravelTime/

上記を参考
このAPIはVer2.6で無効になり、上記リンクも削除されてしまう可能性があるため、APIのパラメータを以下に示す。

API parameters

• location Origin of the search, can be either latitude,longitude or a stop id
• time Departure time as a ISO-8601 time and date (example 2023-04-24T15:40:12+02:00). The default value is the current time.
• cutoff The maximum travel duration as a ISO-8601 duration. The PT can be dropped to simplify the value. This parameter can be given multiple times to include multiple isochrones in a single request. The default value is one hour.
• modes A list of travel modes. WALK is not implemented, use WALK, TRANSIT instead.
• arriveBy Set to false when searching from the location and true when searching to the location

Example Request

http://localhost:8080/otp/traveltime/isochrone?batch=true&location=35.63273135483024,139.74189548323065&time=2024-12-03T14:00:00%2B09:00&modes=WALK,TRANSIT&arriveBy=true&cutoff=30M&cutoff=60M

応用

Webサーバー、Appサーバーの立ち上げ

OpenTripPlannerのAPIを利用したアプリケーションを提供するために、OTPと合わせてWebサーバー、Appサーバーも起動を行う。
otpフォルダ内に以下のグラフデータが存在するかを確認する。

• graph.obj

ビルド

docker compose -f deploy_all.yml build

起動

docker compose -f deploy_all.yml up -d

停止する場合は以下を実行

docker compose -f deploy_all.yml down